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泉のほとりのシカとライオン(イソップ物語より) [自己嫌悪になったとき]

立派な角を持ったシカが、静観な趣で水飲み場までやって来ました。

シカは足をピンと伸ばし、ゆっくりと水面に口を寄せて行き、優雅に水を飲みました。
水を飲み終えて、静かに顔を上げると、水面に自分の姿が映っていました。

シカは自分の姿を眺め惚れ惚れとしました。

(どーだい、この立派な角、いつ見てもキレイだ)

水面に映った、頭の上にある角がシカにとって自慢でした。

(こんなにも枝分かれしてる角を、自分以外、見たことがない)

シカは自分の角を見て笑みを浮かべました。

しかし、視線を下げていき、シカは徐々にガッカリした気持ちになりました。

(それに比べて……)

シカは水面に映る自分の足を見つめました。

(この、細長い“ひょろ”と頼りない足はなんなんだ)

立派な角には似つかわしくない足を見るたび、シカはガッカリするのでした。

シカはしばらく、自分の立派な角を眺めては惚れ惚れとし、
足を見てはガッカリとしながら水面に映る自分を眺めていました。

“ガサガサ”

後ろの繁みから微かな音が聞こえてきました。

ハッ、と我に返ったシカは視線を水面から繁みへ移しました。

凝視するまでもなく、そこには何かいました。

しかも、何頭かいます。

群れをなして狩りをする動物、ライオンです!

シカは自分の姿に見とれてしまいライオンに気付かず、
周りを囲まれてしまっていたのです。

(マズイ!)

そう思うと同時に、シカは走り出しました。

すると繁みの陰から一頭のライオンが飛びかかって来ました。

シカは軽やかにジャンプして、間一髪でライオンを飛び越しました。

シカは一目散に草原の方へ逃げました。
後ろからは、飛び越えたライオンの他にも何頭かが追いかけてきます。

(追いつかれたら食べられる)

シカは持てる力を振り絞って走りました。

今度は違う方向から、一頭のライオンがシカに襲い掛かってきます。

シカはすぐさま向きを変え、走りました。

シカが急に向きを変えたので、ライオンたちは、
足を滑らせたり、大回りしたり、ぶつかったり大慌てです。

そんなことなどお構いなしにシカは逃げました。

体制を整えたライオンたちも懸命に追いかけてきます。

しばらく草原を走っていたシカでしたが、やがて森の中へ迷い込んでしまいました。

森の中では、草や木の根っこに足を取られ走り辛くなってしまいました。

追いつかれてしまう、
と、シカは思いましたが、走り辛いのはライオンたちも同じのようで、
シカとの距離は縮むことはありませんでした。

シカはホッとしながら、森の中をなんとか走り続けました。

しかし、だんだん森が深くなってくると

(イテテテテ……)

木々の枝に頭の上に生えている立派な角が引っかかるようになり、
その度に足を止めるはめになってしまったのです。

そうこうしている内に、ライオンとの距離はどんどん近くなって来ます。

“ガリッ”

角が枝に引っかかる度にシカは思いました。

(このままではライオンに追いつかれてしまう、
 この頼りないように見えた足は追いつかれない速さで走ることが出来るのに、
 この自慢の角が邪魔になって走れないなんて……)

気付けばライオンはすぐ側まで来ています。

もう逃げるのは無理、捕まる、シカは死を意識しました。

ライオンたちがどんどん迫ってきます。

シカは、何かいい方法はないか考えました。

ゆっくり考えている時間はありません。

シカは周りを見渡すと、森の中でも、
木々の少ない場所にいることに気づきました。

(ここなら角にあたる邪魔な木々が無い)

シカに、ちょっとしたアイデアが浮かびました。

(やってみるか!)

と、ダメで元々で行動しました。

踵を返し、一頭のライオンめがけて突進したのです。

頼りないと思っていた足に力を込めて、自慢の角を向けて、
ライオンめがけて一直線に走り、体当たりをしました!

“グガァ!!!”

自慢の角に突かれたライオンは、悲鳴にも似た叫び声を上げました。

シカはすぐに体制を整えると、すぐさま別のライオンめがけて突進しました。

頼りないように見えていた足はシカの意志にしっかりと応え、
凄まじい速さでライオンに向かっていきます。

そして、自慢の角はライオンの体に鋭くぶち当たります。

“グガガガガァァァァァ!!!”

角を喰らったライオンは倒れ込んでしまいました。

二頭のライオンがあっという間に倒されたのを目の当たりにして、
他のライオンたちはひるみました。

その一瞬のスキを逃さず、シカは草原の方へ一目散に走って行きました。


草原に出ると自慢の足は速度を上げ、一気に駆け抜けました。
自慢の角には風が当たり、ヒューヒューを音を立てていました。

どうやらライオンたちはもう追って来ないようです。

シカは思いました。

(自分は、なんてステキな角と、ステキな足を持っているんだろう)と。

シカは、自慢の足で、しばらく草原を駆け巡りました。


ものがたりはここまで[わーい(嬉しい顔)]





所感です。

欠点だと思っていたことが、スゴイ武器になることがある!
自信を持っているものはさらにスゴイ武器になることがある!

それを組み合わせたら、最強の武器になる!

そんな思いで、このイソップ物語をアレンジしてみました。

福娘童話
http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/01/18.htm

実際のイソップ物語では、このシカは自慢の角がもとで命を落としてしまいます。

でも、本来、自慢の角は武器にもなるハズです。
しかも、欠点だと思っていた足は、ライオンも追いつけないくらいの
速さで走ることが出来たのです。

欠点だと思っていたものって、意外と武器になったりするんですよね。

さらに自慢のものと組み合わせたら最強の武器になるハズです。

『大切なのは、なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである』
とアドラーさんが言っています。


とは言え、私には、いったい何が与えられているのだろう……
大したものないなぁ~

でも、使い方次第では、誰もが驚く武器になるかもしれない
そう信じて、考えてみよっかぁ~








2017-06-21 23:45  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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