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塩を運ぶロバ(イソップ物語より) [疲れたとき]

あるところに、重たい荷物を背中に載せて歩いているロバがいました

「重たいなぁ~…… 

 暑いななぁ~……」

ロバは、荷物の重さと、暑さでフラフラです

「ガンバレ、ガンバレ、もうちょっとだ!」

そう言う、飼い主さんの声も、ボンヤリとしか聞こえないほどロバは疲れていました



やがて飼い主さんとロバは、川にかかる橋までやって来ました

フラフラなロバは、川を眺めて、一瞬気が遠くなりました

「危ない!」

飼い主さんの叫び声を遠くに聞きながら、ロバは足を踏み外し、真っ逆さまに川へ落ちてしまいました

”バシャーン!!!”

激しく水しぶきが上がりました

(冷たい!)

全身が川につかってロバは大慌てで、川の中でもがきました

すると、川底に足がぶつかりました

ラッキーなことに、だいぶ浅い川だったのですぐに立ち上がることができました

(あ~、びっくりした)

と驚いているロバのところに飼い主さんが、バシャバシャと水しぶきを上げながら走り寄って来ました

「大丈夫か!」

飼い主さんは心配そうな表情でロバの体をさすり、ケガが無いか確かめました

「うん、ケガは無いな」

と、安心した声を出した飼い主さんは

「でも、積み荷が……」

と、ガッカリした声を出しました


その横でロバは思いました

(水にぬれて、すごく涼しい、しかも、なんだか背中が軽いゾ)

実はロバが積んでいたのは塩がたっぷり入った袋で、川に落ちた拍子に、溶けてなくなってしまったのです

この経験でロバこう思いました

(重くて暑い時は、川に入ればイイんだ、涼しくて、軽くなるぞ)



次の日、飼い主はロバに軽い荷物を持たせました

昨日は荷物が重すぎて川に落ちてしまったのかもしれない、と思ったからです

ロバは足取り軽く、荷物を背負って歩きました

そして、昨日も通った橋に差し掛かりました

ロバは思いました

(今日は荷物が軽いケド、昨日のように川に落ちたら、きっと、もっと軽くなるゾ)

そして、ロバは橋の上で、わざとよろけて川の中へ飛び込みました

”バシャーン!!!”

昨日と同じように激しく水しぶきが上がりました

水の中はひんやりしていて気持ちよく、そして昨日と同じように、荷物が軽くなるはずでした

しかし、今日は軽くなりません

(おかしいなぁ、ぜんぜん軽くならないゾ)

軽くなるどころか、どんどん重くなって行くような感じがします

ロバは足をバタつかせました

川底に足がついたので立ち上がろうとしました

でも、背中の荷物が重くて立ち上がれません

ロバは何が起こっているのか分かりません

ただただ、足をバタつかせてもがくばかりです

しかし、もがいてももがいても、どんどん、川の奥へ引きづり込まれていきます

(くっ、苦し……)

ロバは足をバタつかせましたが、背中の荷物が重くてどうにもなりませんでした

いっぱい足をバタつかせ、苦しくて口を開けると沢山の水が入って来て

さらに苦しくなってしまいました

苦しくて苦しくて、だんだんロバは意識が薄れて行くのを感じました

薄れる意識の先に

「今、助けるぞー!」

という飼い主の声が聞こえました



そしてロバは目覚めると、川の土手に寝そべっていました

「よかった、意識が戻った」

飼い主の心配そうな顔と、何人かの男の人の顔が見えました

溺れるロバを飼い主と数人の男の人が土手まで引き上げてくれたのです

飼い主はロバに言いました

「今日は荷物が軽いようにと、綿を背中に乗せたから、川の水を吸ってどんどん重くなったんだなぁ」

そして飼い主は暗い表情で続けました

「それにしても、川に二度も落ちるなんて、困ったロバだ」



ロバは助かりました

しかし、二度も橋から落ちて荷物をダメにしてしまったということで、売られることになりました

ロバは優しいご主人と別れるのだと気づくと、とても辛く、悲しくなりました


(こんな事になるなら、もっとまじめに、優しいご主人のために働ければよかった)


遠くなるご主人を涙で浮かべた目で眺めながら、ロバは思いました



優しいご主人はロバのためにと、慎重に売り先を選んでくれました
そして見つけたのが重たい荷物を運ぶのではなく、子どもを乗せて楽しませる仕事ができる所です

しかも、小さな子どもを1人だけ乗せる仕事です

ロバは優しかったご主人のことを思い出しながら、毎日まじめに仕事をしました、とさ


ものがたりはここまで[わーい(嬉しい顔)]




所感です

福娘童話 http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/01/02.htm
では、ロバは死んでしまい、こんな文章で締めくくられています

” このロバと同じように、人間もずるい事をやる人は、 うまくいったと思っても思いがけない不幸におちいる事があります “

確かにズルはいけないケド、ズルしたいほど辛い時ってありますよね

そんな時、私はすぐ音を上げます

誰よりも真っ先に音を上げるタイプです

辛い時は音を上げるのはアリだと私は思っています

案外、音を上げてみると、助けてくれる人が現れたり、

実はそこまで頑張る必要は無かった、など、いい方に転がる結果になることが

多いと感じるからです


ロバも“ズルをする”ということで音を上げました

結果、ご主人の優しさが分かり、打ち込める仕事にも就くことができました

我慢は美徳かもしれませんが、たまには音を上げてみてはいかがでしょうか?


しかし、私みたいに、しょっちゅう音を上げてると

「また~?」

と妻から冷やかな眼を向けられる人になってしまうので
ほどほどにお願いします


2017-06-17 18:10  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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